2017年3月16日木曜日

明治憲法再考

明治憲法は悪魔の法?

中高生に聞いてみてビックリしたことがある。
明治憲法についてどのようなイメージがあるかを
聞いてみたところ、どうやら悪魔の憲法のような
イメージを持っている人が多い。

確かに軍部の暴走を抑えられず戦争に至ってしまった
反省すべき点は多々ある。人権も蹂躙されていたという
解説も多くなされている。

だが、時代背景を考えれば仕方のないことのようにも思える。
制定された1889年当時は江戸時代が終わって22年しか経っていない。
江戸時代は人権という概念すら無かったのだ。

そもそも西洋での憲法や人権の発達は各種の市民革命によって
政府に保障させた権利である。そのため、市民革命が起きていない
日本には馴染まない性質のものと言える。

今現在でも特に貧困国は独裁が続いていたりする。開発独裁という
言葉があるよううに、ある程度の国力がないと民主主義は難しいし
そういう議論する暇があれば働けよという時代でもあろう。

今の価値基準で明治憲法を語ると、確かに酷いものではあるが、
改めて明治憲法を読んでみると、当時の時代背景を考慮すれば
良くできていると思う。

私の解釈では天皇に大権はあるけれども、決して自由に権限を
行使できた訳ではないように思える。むしろ、天皇の大権は
革命やクーデターなどの憲法的危機を乗り越えるために備える
伝家の宝刀的意味合いがあったのではないかと思う。

軍部の暴走についてだが、山縣有朋をよく調べると、晩年山縣
自身も軍は内閣の行動と一致して運用していくことを考えていた
らしい。

まあ、歴史的に見ると、源平の争いなんかも軍を私用して権力争い
をしてきた歴史があるから、統帥権の独立や大臣武官制を採用した
ものと思われる。

そういう背景も踏まえて天皇制や9条について考えてみる必要が
あるかなあと思う。

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