明治憲法は悪魔の法?
中高生に聞いてみてビックリしたことがある。明治憲法についてどのようなイメージがあるかを
聞いてみたところ、どうやら悪魔の憲法のような
イメージを持っている人が多い。
確かに軍部の暴走を抑えられず戦争に至ってしまった
反省すべき点は多々ある。人権も蹂躙されていたという
解説も多くなされている。
だが、時代背景を考えれば仕方のないことのようにも思える。
制定された1889年当時は江戸時代が終わって22年しか経っていない。
江戸時代は人権という概念すら無かったのだ。
そもそも西洋での憲法や人権の発達は各種の市民革命によって
政府に保障させた権利である。そのため、市民革命が起きていない
日本には馴染まない性質のものと言える。
今現在でも特に貧困国は独裁が続いていたりする。開発独裁という
言葉があるよううに、ある程度の国力がないと民主主義は難しいし
そういう議論する暇があれば働けよという時代でもあろう。
今の価値基準で明治憲法を語ると、確かに酷いものではあるが、
改めて明治憲法を読んでみると、当時の時代背景を考慮すれば
良くできていると思う。
私の解釈では天皇に大権はあるけれども、決して自由に権限を
行使できた訳ではないように思える。むしろ、天皇の大権は
革命やクーデターなどの憲法的危機を乗り越えるために備える
伝家の宝刀的意味合いがあったのではないかと思う。
軍部の暴走についてだが、山縣有朋をよく調べると、晩年山縣
自身も軍は内閣の行動と一致して運用していくことを考えていた
らしい。
まあ、歴史的に見ると、源平の争いなんかも軍を私用して権力争い
をしてきた歴史があるから、統帥権の独立や大臣武官制を採用した
ものと思われる。
そういう背景も踏まえて天皇制や9条について考えてみる必要が
あるかなあと思う。
0 件のコメント:
コメントを投稿